JR九州在来線の特急料金の見直し

九州島内は高速バス路線網と競合する区間が多く、国鉄時代の1982年に幹線の急行を軒並み特急化した際には、当初首都圏や近畿圏でも導入区間が限られていたB特急料金を全島で適用し、以来他地域よりも割安な特急料金で民営化以降も旅客鉄道全社をリードしてきた。短距離の25㎞、75㎞と刻んだ料金体系の端緒は九州である。

短距離の利用客もこまめに拾い上げ、高速バスとの叩き合いには割引きっぷを設定し、鉄道部門の赤字は関連事業の利益で支えてきたが、コロナショックは看過できない状況だ。

尤も先に音を上げたのはライバルの高速バスだった。春先から初夏にかけて各社が運賃値上げに舵を切り出し、競合区間では不毛な値引き合戦に終止符が打たれることになったが、本来提供されるサービス相応の対価が支払われて然るべきで、経営の健全化に不可避である。


西鉄グループ高速バスの運賃改定について(西日本鉄道株式会社 21年5月21 日プレスリリース)

高速バス「福岡~長崎線(九州号)」の割引乗車券の値上げ等について(西日本鉄道株式会社 21年6月17 日プレスリリース)

割引乗車券の値上げについて(九州急行バス株式会社 21年6月17 日プレスリリース)

在来線の特急料金の見直しに関するお知らせ(九州旅客鉄道株式会社 21年8月3 日プレスリリース)


ただ、両者競合区間についてはweb予約の早割など条件付きで値上げ幅を抑えたり据え置くなど双方常連客の囲い込みに鍔迫り合いが続くが、通常の料金は4割程度の値上げとなる。尤もこれまでが長らく割安だっただけで、値上げの結果が他の旅客鉄道会社と較べても特に突出している訳でもない。

宮崎、長崎などローカルニュースでは「4割値上げ」の見出しが強調され、家計に影響とまで報じていたが、抑々家計に影響するほど乗っていないだろう?中抜きの多い道路業界の通行料金値上げよりも余程健全だと思うが(笑)



旧・ここは無人駅です。と、駅員から説明を受けたマニアな僕は困惑を隠せなかった。

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