相応な負担か、分不相応な要求か

先日、江若鉄道バスが2021年4月からの運賃値上げを発表した。既にこれまでも人口減少と過疎地域の問題として議論され尽くしてきた感がある中、コロナ禍による公共交通を敬遠する傾向が高まったことが追い風になった格好だ。

値上げに対しては反論もあるだろうが、不採算を理由に撤退されないだけマシである。


だいたいやねー(パイプは持っていない)日本全国で統一された運賃体系だったのは1980年までの国鉄くらいだ。当時の初乗り3㎞まで100円、山手線も大阪環状線も北海道や九州のローカル線も同一だった。その国鉄だって末期には東京、大阪の電車特定区間とそれ以外で分けたり、幹線と地方交通線で差をつけていた。民営化から10年目で本州旅客3社と3島旅客会社でも差が付いただろう。97年4月には消費増税と重ねてカモフラージュしていたが、東京の電車特定区間の初乗り運賃値上げもあった。

更に言えば国鉄の幹線と地方交通線の区分は81年制定以降、民営化を跨ぎ今日まで40年変わっていない。ただ運賃計算のルールが民営化以降の会社間で統一性がないから本州旅客3社と3島旅客会社、且つ3島各社間でも夫々異なる。


私鉄は大手の近鉄、東武、名鉄だけ見ても夫々違うだろう。特に名鉄は中京圏の狭い範囲の中でも運賃算出の距離計算が3段階ある。それに大手私鉄の場合、競合区間の割引や新設線の加算運賃のように強調していないが、距離帯や輸送人員の多寡などにより一般には解かり辛い負担格差はある。

何でも統一性を持った料金体系にすることが必ずしも公平なわけではない。地方の運賃を東京と同じにしろ!というやつは、例えば固定資産税を都内と同じ水準に引き上げられても文句言えなくなるぞ?w


何れにしても、在るのが当たり前のものを見直し考える良い機会だろう。



旧・ここは無人駅です。と、駅員から説明を受けたマニアな僕は困惑を隠せなかった。

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