せや、中止したろ!とはならんよなぁ。

新交通システム「上瀬谷ライン(仮称)」整備構想を巡り、横浜市から事業参画を要請された市の第三セクター横浜シーサイドラインが18日、「参入しない」方針を決めたことについて、横浜商工会議所は24日、「非常に残念」との考えを示し、月末の回答書提出期限が迫る中で同社に再考を求めたことが報じられた。

(ニュースソース 19日全国紙、24日神奈川新聞、tvkニュース)


市は通信施設跡地で2027年に開催される国際園芸博覧会(花博)までの上瀬谷ライン開業をめざしており、年内に運行事業者を決め今年度中に運行事業者が国土交通省に許可(特許)申請することを見込んでいたのだが、現地を知る人ならシーサイドラインの回答は「でしょうね!」と口を揃えるだろう。


斯く言う筆者も瀬谷区界隈は元の生活圏。一応行政区画上は横浜市域だが、山峡と揶揄されてきた新横浜よりも更に内陸で浜辺や港感など微塵も感じられない場所であり、丘と小さな川筋の谷戸が連なっているような、実質的な意味で本当の横浜市だ。横浜の語源は関内駅付近にあった浜辺だが、横浜市域の殆どは浜辺ではない。現地を知らないまでも東海道新幹線の利用経験があるならば新横浜を出て暫く(相模川付近で視界が開けるまで)の間にトンネルと掘割の底を進む区間、東京ゆきならば「間もなく新横浜」とアナウンスされる頃に差し掛かる山っぽい辺りを思い浮かべれば概ね正解だ(笑)


当地は一応大都市圏の横浜市だが都市部ではない。郊外の宅地と農地であり、基本的に車社会だ。国道16号、保土ヶ谷バイパスの混雑振り(筆者が利用当時は日常的に全線渋滞が起こり「満車」と揶揄されていた)を避け市内の事務所と大和、相模原方面の双方へ抜けるために通っていたのが海軍道路や上瀬谷の田舎道(失礼!)である。

イベントの企画担当は2005年の愛・地球博のような構想を描いたのかも知れない(筆者は花博=鶴見緑地のイメージだ)が、人口減少など社会情勢を見据えた未来設計をしているのだろうか。上瀬谷の現地と瀬谷駅のピストン時点で計画がお粗末だし、輸送体制の再検討どころか花博の開催自体を再考することが迫られる案件だと思うのは筆者だけではあるまい。


これはマニアの浅墓な着想だが、茅ヶ崎(都筑区)よろしく上瀬谷をハブとして相鉄接続以外にも南町田や十日市場、或いは若葉台団地やズーラシアを経由して中山を結ぶ条件なら愛知のリニモと似たような運用は可能だろう。ただ、現状の輸送量は各方面ともバスで足りている。新交通化して利便性が向上したとしてマイカー族を取り込めるだろうか。

若しかしたら元々市の構想は大風呂敷で予算など諸般の事情により縮小した結果が「瀬谷ピストン」なのか。中途半端に愛知のマネするくらいなら、もう市営交通でバスレーンかガイドウェイで良くね?市バスの運転手が足りないなら無人運転バスを実証している日立市などに学んだら如何か。

市政って保守的というか前時代的な考え方で凝り固まって、未来思考が全くないのな。前例がないなら作り出せば良いのに。


追補:横浜シーサイドラインは25日付で市に対して回答済であることが26日夜のローカルニュースで報じられた。地方紙でも後日談として横浜シーサイドライン社長のインタビュー記事を出しているが、社長の発言は尤もだと思った。


旧・ここは無人駅です。と、駅員から説明を受けたマニアな僕は困惑を隠せなかった。

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