日本一高い!でも…
日本一運賃が高いと揶揄される京都の地下鉄。
検討委が地下鉄と市バスの値上げ答申を提出したことが報じられたのだが、関テレのレポートに違和感を覚えた。
財政難の京都市 検討委が地下鉄と市バスの値上げ答申 「地下鉄30円、市バス20円の値上げ必要」(関西テレビ 22年1月6日 12:32 ニュース動画は別途関テレ公式YouTubeにあり)
以下、同ニュース動画より記者のナレーションを文字起こししたもの。
「日本一高いと言われている京都市のバスと地下鉄の運賃が、さらに値上げされることになりそうです」
地下鉄とバスは、新型コロナの影響で通勤客や観光客が減ったことにより、2020年度、合わせて102億円の赤字を計上。危機的な状況を立て直すため、専門家や市民の代表から成る「経営ビジョン検討委員会」は6日、地下鉄とバスの運賃を10%程度値上げすべきとする答申を提出しました。
京都市交通局は、地下鉄の初乗り運賃を30円市バスの基本運賃を20円値上げすることで、年間42億円余り収入が増えると試算しています。仮に30円値上げされると市営地下鉄の初乗り運賃は、250円となります。一方、他の都市の初乗り運賃は、大阪メトロが180円、東京メトロが170円。料金の差は、開くばかりです。
民営化した東京メトロ、大阪メトロとの比較で格差度合いを盛っているのは偏向報道じゃないですかね?
較べるなら都市規模が近い札幌、福岡、神戸あたりの公営交通を比較対象にしないとフェアじゃない。因みに各都市(札幌、仙台、横浜、名古屋、神戸、福岡)の市営地下鉄初乗りは210円で、京都市の現行220円が僅かに突出している状況に過ぎず、確かに日本一は嘘ではないが誇大表現だと言われても否定できまい。
値上げが実現すれば250円となって俄かに際立ってくるし、公営最安値である都営地下鉄の180円と較べたら割高なのは確かだが、都内の昼間の人口は京都市の10倍だし、大阪市でも京都市の2倍強だ。また京都市営地下鉄全線で1日当たりの利用者数は40万人弱(2017年統計)だが、同年統計で言えば大阪メトロ梅田駅(御堂筋線単独で43万人)や都営新宿駅(京王との通過人員含まず44万人)の乗降数より少ない。東京メトロ池袋駅(56万人)の乗降数との比較なら8割にも満たない。
こういった部分も踏まえて比較しないと権利意識過剰なモンスターどもを煽るだけになってしまうよな。利用者にしてみれば確かに値上げは痛いが、財政破綻の危機に瀕している京都市の事情もあるから公共交通維持のためには止むを得まい。
不公平だ!と声を上げるのは地下鉄京都駅だけで1日あたりの乗降数が40万人に到達するレベルになってからだろう。JR西日本の京都駅並みだから現実的ではないがな。
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